4章5項 雲台と三脚の選び方
[経験者向け]自由雲台とパン棒雲台
おおまか解説
通常は自分にとって必要な高さや重さや携帯性で考えていくのですが、三脚メーカーさん、三脚出しすぎ。雲台に注目してもう少し絞っていきましょう。
解説前の一枚
5mほど離れた水面に開いていた水連の花。望遠マクロズームで撮りました。ピントは手動で合わせるほどシビアでAPS-Cでも三脚必須な繊細画質。
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三脚=雲台と脚…の選び方
「何を撮るのが好きか」で違う
まず、旅行や移動が多い人は自由雲台の方が良いです。パン棒付の雲台はご近所や一か所の撮影向け。パン棒付の方は大きく構図が崩れるのが困る撮影スタイルの人。
雲台で絞り始める選び方
「雲台」(うんだい)はカメラを載せる部分のこと。雲台は三脚と分離することができるので「自由雲台」か「パン棒雲台」で選択肢を二択にして絞ってみるといいと思います。
王道はパン棒タイプの雲台。橋の上から「動かない線路」の構図を決めておいて電車を撮る人や、しゃがんで小さな花をマクロ撮影する人、被写体が動かない滝のNDフィルターの撮影等も3Way雲台の方が撮りやすいです。
3WAY雲台(パン棒の雲台)の三脚
3WAY雲台の三脚
使い勝手がとても良い三脚。安い三脚の中には丸いネジで上下左右の首振りを固定する物がありますが、その場合も「○Way雲台」にあたります。特徴はパン棒の傾きがカメラそのものの傾きになるので、片手で調整できるところ。
かさばるパン棒三脚
パン棒を緩めると雲台が傾き、絞め込むと固定されます。一本のパン棒は一定の動きのみなので構図を微調整したい時に大きく崩れることがありません。逆に前後・左右水平・左右首振りをそれぞれ設定していく分、手数はかかる。
旅行向け 自由雲台の三脚
自由雲台の特徴
自由雲台は支点が一点なので、締め込みを緩めると前後左右フリーに動きます。カメラの自重でガクンといくので微調整時も気を使って動かしたつもりでも案外崩れてしまいますが、使っているうちにコツを覚えて慣れます。
軽量三脚に使いたい
自由雲台のメリットはパン棒が無い分スリムなこと。収納の時3Way雲台の場合2本のパン棒が邪魔なのですが、自由雲台はそのままの姿ですでに収納体制。重量も数百グラム軽いんです。
反転脚 ベルボンUTシリーズ
ベルボンの反転式の持ち運び設計三脚。類似形状の中国系OEM商品が多数散見されているも形状擬態の物より軽い上、こちらは信頼と品質が最強クラスの日本の老舗の三脚メーカー。
最新 | UT-43Q |
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最高地上高:1550mm、通常地上高:1388mm、最低地上高:336mm、収納縮長:272mm、重さ:1080g。推奨積載重量:2.0kg。雲台分離可能。自由雲台搭載。
スリック スプリントシリーズ
スリックのスプリントシリーズの小型高級三脚。軽量・レバーロック式で扱いやすい。MINI(ミニ)とPRO(プロ)があるので混同しないように注意。
最高地上高:1090mm、通常地上高:880mm、最低地上高:150mm、収納縮長:350mm、重さ:780g。雲台分離可能。最大搭載重量:2kg。自由雲台搭載。
スリック エアリーシリーズ
最高地上高:1014mm、通常地上高:890mm、最低地上高:158mm、収納縮長:300mm、重さ:750g。推奨積載重量:1.5kg。雲台分離可能。自由雲台搭載。
自由雲台=軽量、パン棒雲台=仕事用
選択の目安として『自由雲台は軽量』『パン棒雲台は作品向け』。雲台を決めたら高さと収納サイズを考えて絞っていけば良い三脚に出会えるでしょう。