3章3項 NDフィルターの濃さと選び方
[初心者向け]NDフィルターの種類(濃さ)話
おおまか解説
NDフィルターはND2からND64くらいの物が一般的な流体表現撮影用。数字は2,4,8,16,32,64と決まっていて、ND3やND5などはなく数字はそのまま何分の一に減光するかを表しています。
解説前の一枚
長野県茅野市の横谷渓谷(横谷峡)での一枚。NDフィルターを使っている写真ではないけれど、使用すると川の流れが滑らかに見える一枚になりますよね。急流は荒々しい写真の方が良いかな。
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NDフィルターの数字の意味
フィルターは基本的には1枚で
NDフィルターは重ねて使うことでさらに減光効果を得ることができるフィルターです。でも、レンズ前に重ねる枚数が多いほど解像度は落ち、ほこりやゴミや指紋の写り込みも多くなるので基本的には一枚で減光させましょう。
季節と時間帯で明るさが違う
NDフィルターは「NDフィルター」が売っているわけではなく「ND8」や「ND32」など必要な『濃さ』別に商品が販売されています。数字はそのまま何分の一に減光するかを表していて、場面に応じて必要な濃さを使うのが基本。
開けた場所にある滝や雪の中を流れる小川などは夕方の森の中の滝と明るさが全く違います。シャッター速度があまりにも長いと風にそよぐ草木の背景も軌跡で捉えてしまうので、必要最低限のシャッター速度で撮影したいところ。
本気の一枚のND16フィルター
ケンコーのND16。1/16に光量を落とすので明るい風景にも効果がある。イメージ的には夏場の昼頃の森の中の渓流に良い感じ。
☆ケンコー PRO1D ND16 | ☆マルミ DHG ND16。NDフィルターは通常ND64くらいまでが実用的な濃さ。ND16は結構万能な濃さ。基準にしてもいいけれど、重ねるとかなりの濃さになるので基本的に一枚運用モノ。
お試しの一枚のND8フィルター
ケンコーのND8。木陰やズームでの流体撮影に向いている濃度。そういった意味では無難な濃さのNDフィルター。3絞り分減光。1/8に光量を落とします。
通常、NDフィルターを使う場面は滝か小川の写真撮りくらい。その場面を考えると森の木々に覆われた山の中が多く、岩肌や土が背景で木陰なのでもともと少し暗い画面です。そういう意味でND8は昼間の木陰のシャッター速度稼ぎににちょど良い感じのNDフィルター。☆ケンコー PRO1D ND8 | ☆マルミ DHG ND8。
ブースターのND4フィルター
ND4は光量を1/4にする減光フィルターで2絞り分の減光効果しかありません。単体で使う意味はほとんどなく、他のNDフィルターを重ねて高濃度の減光撮影をしたい時に調整として使うブースト運用がおすすめ。☆ケンコー PRO1D ND4。
重ね・買い増しは次のページへ
初めて買う人はND8かND16がいいです。すでに使っている人は持っている減光フィルターが基準になりますよね。さて、NDフィルターは二枚重ねて使うことでもっと濃度の高い減光フィルターとして使うことができます。次のページはそんな買い増しの時のお話です。