3章2項 NDフィルターでのシャッター速度と写り方
[初心者向け]NDフィルター撮影の実践
おおまか解説
NDフィルターは意図的に軌跡(光跡)を残した風景を撮るための「減光」フィルター。基本的には水の流れを撮影する時に用いられ、応用として太陽撮影や人混みを消す使い方がされます。
解説前の一枚
栃木県の日光の竜頭の滝の先頭部分をそれっぽく撮ってみました。NDフィルターは使っていないのだけど、三脚を立てて減光させた写真も良さそうですよね。現場でひらめいたら積極的にやってみましょう。
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NDフィルターの効果のおさらい
普通にトンネルで撮ると…
カメラは走行中にトンネル内で普通にシャッターを切ると、景色が流れているような写真になります。カメラがシャッター速度を遅くさせるため、若干長めにシャッターが開いている景色が凝縮されているわけです。
被写体ブレを応用した撮影
NDフィルターの減光による軌跡写真は「背景を動かさないで撮る被写体ブレ」の写真なんですね。肉眼では認識できない風景の姿になるので、川の流れや滝の写真では印象的な写真としてよく使われています。
作例はありませんが応用として人々でごった返す交差点を、減光フィルターで定点撮影することで動いている人だけ写り込まない昼間の写真…などがありますね。
NDフィルターの撮影準備=三脚
準備=三脚
肉眼とは異なる景色を意図的に作り出すスパイス的なフィルターのため、NDフィルターを使う場面は限られています。シャッタースピードを遅くしてシャッターが開いている時間を長くすることになるため、三脚が必須。
フィルターがないとこうなる
NDフィルターを使わずにカメラの設定を変えてシャッター速度を遅くして撮影した場合は写真は太陽光の取り込み過ぎで真っ白になってしまいます。三脚にカメラを据えたらNDフィルターをはめて撮ってみましょう。
NDフィルターは「こういう写真を撮るぞ」と撮影後の風景を意図して撮るためのちょっと上級の撮影用品。ちょっぴり練習が必要ですが、一味違う写真を撮ることができるようになります。
NDフィルターの応用撮影写真
減光フィルターで太陽撮影
私撮影の日食の写真。月ではなく昼間の太陽を撮影した写真です。NDフィルターは「減光」させるフィルターなので、何枚ものNDフィルターを重ねて光の量を極小にすることで太陽を直接影することもできます。
日食用=高濃度NDフィルター
日食写真が余っていたのでもう一枚。太陽撮影用のフィルターも販売されていますが、太陽系最強の光量を放つ太陽を撮影する以外に用途がないので、購買意欲を煽られたとしても冷静になった方がいいかも。
日食撮影用の高倍率NDフィルターはほとんど使う機会がないので考えなくてもOK。通常レベルのNDフィルターはしょっちゅう使うかどうかは別として一枚はあった方がいいと思います。
万能クラスのND16フィルター
ケンコーのND16。撥水・撥油機能を備えたLotusやZeta NDもありますが、PRO1Dで十分。4絞り分減光。1/16に光量を落とすので明るい風景にも効果がある。
☆ケンコー PRO1D ND16 | ☆マルミ DHG ND16。ND16はある意味初心者に一番おすすめ。その前にNDフィルターは通常の風景撮影ならND64くらいまでが実用的な濃さで、ND16は結構万能な濃さ。最初の一枚なら買い増ししなくて済むかも。
高くないフィルターなので撮影を楽しもう
私の場合、いろいろな場所のいろいろな瞬間を撮りたい人なので、三脚+NDフィルターの芸術的写真は多くありません。でも初心者さんも自分の好きなスタイルがハッキリするまでは経験した方がいいと思います。