2章1項 サーキュラーPLの使い方&メリット
[初心者向け]偏光フィルターはどんなもの?
おおまか解説
サーキュラーPLフィルターは効果を一言で説明すると「景色の色彩を強調」するフィルター。覗いた感じでシャッターを切れば肉眼の風景の色彩がより鮮やかに写ります。
解説前の一枚
鳥取県にある日本百名山の大山。夏山登山道の中腹にて視界が開けた場所でパシャリ。サーキュラーPLは水面の反射を消すことで有名だけど普通の景色もクッキリ。
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サーキュラーPLの特徴と使い方
綺麗な景色を鮮やかに
サーキュラーPLは景色の中から白い反射光だけが取り除かれるので、その結果赤や緑、青空の色が引き締められて濃い色のように見えます。水面の反射も取り除かれるので水底まで透けて見えるようになる不思議なフィルター。
「使う時に付ける」
光の反射=白くまぶしい色が打ち消されると、原色がはっきりするのでサーキュラーPLを使うと「色鮮やか」な写真になるのですが、偏光による減光でシャッター速度が若干落ちるため基本的には使う時だけ付けるタイプのフィルターです。
東北地方・宮城&山形県にある蔵王山の火口湖「御釜」を望遠ズームで撮影してみました。御釜に近付くことはできませんが、火山国日本の壮大な光景です。え?サーキュラーPLを持ってきてない!?そうならないようにしたいですよね♪
サーキュラーPLのざっくり知識
ただの「PLフィルター」に注意
偏光フィルターに「サーキュラー」がつかない「PLフィルター」があり、大口径でも格安。でもそれはィルムカメラ時代の超旧タイプ。良い事はほとんどありませんので安くても買わない方がよいです。※写真は「サーキュラーPL」です。
現代の標準=すでに薄枠
写真の物は販売時期が古い旧モデルの薄枠サーキュラーPL。すでにこの程度の枠の高さが標準的・スタンダードです。前時代にもっと分厚い前述のようなフィルターが通常枠としてあったため、『薄枠』という表現がされています。
サーキュラーPLの効果
水面の底が見える「偏光」
サーキュラーPLは「反射光」を打ち消す不思議な偏光フィルターです。解説を聞いても難しい話になるので作例と見てください。尾瀬ヶ原の池塘をサーキュラーPLで撮影すると、池の泥炭層の黒い湖底が見えてきます。
肉眼では反射光の世界
この写真はサーキュラーPLを効かせていない時の風景写真です。池塘の水面は上空の青空が写り込んでいるので水底の様子は見えません。大気中の余計な反射光が取り除かれ風景全体が濃くなるフィルターです。
サーキュラーPLの効果・実例
使わない状態
サーキュラーPLは自分で使っているうちに自分の好みを知っていくことができるフィルター。自然界は意外と太陽光が反射してキラキラしています。さて、次のサーキュラーPL全開写真、どちらが好きですか?
使った状態
偏光効果が全効き状態なので極端ですが参考です。上手に写真を撮るのが苦手な人は、自分が撮った写真をあまり考えながらじっくり見ないんですね。見比べて自分の好きなイメージを意識してみましょう。
「正解」はありません。サーキュラーPLはくるくる回すことによって反射光をどれだけ反映・打ち消しさせるかを調整することができます。肉眼では反射がある光景が自然なので、反射光を取り除くことによって立体感や遠近感が違う印象になりますね。
定番クラスはPRO1DサーキュラーPL
ケンコーのPRO1DシリーズのサーキュラーPLが無難・スタンダードな人気の品。初心者さんはあれこれ考えずにこれを買った方がお悩み時間がまるまる削れるくらい定番な一品。
使う時だけ付ける特殊系フィルター
レンズ内やフィルター枠のフチが写り込むことを「ケラレ」ると言います。薄枠の高さでケラレるレンズは魚眼レンズなどを除いてレンズメーカーが使いにくいレンズを設計しないはず。最初は安いPRO1Dで、予算が許せばもっと汚れにくい中級モデルに目を向けてみましょう。