2章2項 サーキュラーPLを使う場面例
[初心者向け]C-PLはどんな場所で使うモノ?
おおまか解説
サーキュラーPLフィルターは自然の風景写真を撮るのが好きな人と相性の良い撮影用品。水面の反射はもちろん、新緑も紅葉も青空も、余計な白が抑えられてクッキリ鮮やかに。
解説前の一枚
徳島県の吉野川流域の大歩危・小歩危峡。そこに流れる川の水は乳白色の緑色。入浴剤を溶かし込んだような色の水だけど、川幅が狭いので急流なんだ。河童も流されちゃう。
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高価なサーキュラーPLは必要なの?
絶対持っていた方が良い
サーキュラーPLは液晶モニターなどにも使われている偏光膜を用いたカメラ用品のため、一枚5千円から8千円以上と若干高価。でも『効果と結果を知っている人は結局必ず買う』もの。初心者さんも良い物を使っていこう。
中古C-PLに要注意
写真のサーキュラーPLはケンコーの古いモデルのモノ。使えることは使えますが、ファインダーを覗くと暗く、色ムラも出やすくキャップが付けられなかったり…そもそもC-PLは経年で劣化するので結局最新モデルを買い直しました。
千円でも二千円でもお得だと思って出費した金額まるまる、使われないモノになってしまうケースって、考えたら一発で使える物を買った方がお金も写真結果もベストなんです。なおサーキュラーPLは紫外線や高温環境下でどんどん劣化していく性質があるので中古品にも注意。
サーキュラーPLを使う場面例 水辺編
海+サーキュラーPL
千葉県鴨川市にある仁右衛門島。サーキュラーPLを効かせて撮ると海の底の砂浜が透けて見え、さながら沖縄や熱帯の海のような写真に。海底が岩場なら反射が除かれるのでクリアな岩が見えるようになります。
湖+サーキュラーPL
写真は滋賀県の琵琶湖のほとりにある白髭神社の鳥居。湖は天気の良い穏やかな日は絶好の写真日和。ごく浅い湖底には石がごろごろしている様子がわかります。角度的に水面近い手前が透け透けですね。
サーキュラーPLを使う場面例 陸地編
森林+サーキュラーPL
サーキュラーPLの使用場面例。緑の葉は反射がないので色が濃く、木道の下の水の流れにも白い反射光が無く、静かな世界に見えます…と言ってますが、案外「こう撮れました」という結果論が本当のところ。
紅葉+サーキュラーPL
紅葉の落ち葉が積もる湿り気のあるハイキング道。森や林の道は山の湿気や冷え込みの夜露で湿っています。つまりは濡れているので反射光でテカテカなんです。
C-PLを使わない方が良い場面例
湖の逆さ富士的風景
秋田と山形の県境にある鳥海山。よくある逆さナントカ的な一枚です。サーキュラーPLは水面の反射光を打ち消してしまうので、こういった写真は風景写真でも使わない方が良い結果を得られます。
鏡面=反射の景色
こちらは北海道の摩周湖。もう言葉を失う美しい絶景です。その場にいたベテランさんの後姿も入れてみました。絶景風景写真=サーキュラーPLではありません。理由はもうお分かりですね?
風景写真になんでもかんでもサーキュラーPLというわけではないようです。白っぽい反射光が取り除かれた風景は色が濃くなりコントラストが上がるのですが、肉眼状態では白っぽい風景が普通の景色なので「違和感」が強くなってしまう場合もあります。
汚れに強いサーキュラーPLはこれ
サーキュラーPLは基本的に昼間の屋外で使う実戦タイプのフィルター。定番と言えるPRO1Dシリーズは防汚性を高めるコーティングはあまり良くありません。正直マルミのスーパーの方のサーキュラーPLがおすすめ。
一枚あるだけで違うサーキュラーPL
新しいカメラ、新しいレンズを購入した時、予算的に厳しいのはよくわかります。でも、景色の良い場所を前に準備不足でスマホと全く同じ白い水面の写真だけしか撮れないのは機会がもったいないですよね。三脚より優先的に一枚取り寄せておくべき特殊フィルターだと思います。