2章4項 高透過サーキュラーPLの効果の違い
[経験者向け]暗くなりにくいサーキュラーPL
おおまか解説
ケンコーのZeta EXおよびZeta Quint、マルミのEXUS。フィルター径で価格は大きく異なりますが、これらのシリーズのサーキュラーPLは下位シリーズとは一線を画すサーキュラーPLです。
解説前の一枚
日本人の中で一生見ることがない人の方が多い場所。日本最北端の宗谷岬へバイクで行ってみた時の一枚。無料キャンプ場がたくさんあり…いえ、サーキュラーPL、いいですよ~。
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高透過=Zeta EXとEXUSの二択
ZetaEXとEXUSは高透過型
サーキュラーPLは大気中の乱反射や木の葉の照り返しを除去することで空の青さや紅葉のコントラストが上がるフィルター。そのサーキュラーPLの高級シリーズには高透過の偏光膜が使われています。
技術革新の生成物
偏光膜自体は液晶モニターの画面にも使われていて、PLフィルターを画面の前にかざして角度を変えると画面だけ光を遮断して黒く見えます。写真のモニターは肉眼では白い画面が点いている状態をC-PLで撮りました。
ケンコーのZetaQuintは高透過偏光膜採用モデルですが価格が高すぎるので検討除外。高透過のサーキュラーPLはレンズを通して入ってくる光の量が落ちにくくなっています。減光の度合いが旧世代の偏光膜よりかなり低く、シャッター速度が落ちにくいのでブレ写真が減る恩恵は大きなメリットです。
そのほか、ケンコーのPRO1Dの上のシリーズにZetaシリーズがありますが、ノーマルゼータ(ZRコート)は「ファインダーを覗いた見た目は(旧世代より)明るいけれど、シャッター速度は遅い(=高透過タイプではない従来品)」商品。そのため価格的に手が出るのはZetaEXとマルミのEXUSの二枚なんです。
高透過サーキュラーPLを使う意味
失敗枚数が少なくなる
減光具合を実際に実験してみました。フィルターを付けない裸のレンズで1/60のシャッター速度は従来のサーキュラーPLでは1/20の遅さになり、高透過のZetaEXやEXUSをかざすと1/30で済みました。
いわゆる「明るい」モノ
昼間しか使わないサーキュラーPLとはいえ、黒い岩肌や日陰などでは手持ち撮影でシャープに写すのに明るいレンズ(フィルター)が欲しい時は多々あるものです。望遠にしたらシャッター速度はもっと落ちますよね。
カメラ写真にこだわらない初心者さんには「高い」グレードなのですが、ある程度写真が好きになり経験をしてきた人にとって「シャッター速度の低下幅が少ない」という要素はこだわりポイントですよね。三脚を使う人にはあまり関係がありませんが、手持ちで風景写真を撮るのが好きな人は高透過C-PLがおすすめ。
高透過型の本命 EXUSサーキュラーP.L.D
高透過タイプのサーキュラーPLの本命フィルター。高い防汚性を誇るコーティングと帯電防止処理を施されたマルミのEXUSのサーキュラーPL版。ケンコーよりお財布にやさしく高品質な一品。
超スリムタイプ Zeta EX サーキュラーPL
ケンコーの超薄型高透過サーキュラーPL。普通にクルクルとネジ込んで装着するのですが、イメージ的に「何かのキャップをパコっとはめこむ」ような形の超薄型フィルター。汚れは落としやすい。
失敗ブレ写真が激減する明るいフィルター
価格的にZetaEXとEXUSが現実的な選択肢です。スリムなZetaEXはガラス厚も薄いため、落下や無理な力が加わらないように取扱いに注意。場合によってはC-PLの外側にプロテクトフィルターを二枚重ねして散策しても良さそうです。太陽光で劣化するのでキャップは付けるようにしてね。