3章4項 NDフィルターの組み合わせと買い増し
[初心者向け]重ねて高倍率のNDフィルターへ
おおまか解説
フィルターは通常一枚のみで使うのが基本ですが、減光フィルターは手持ちのNDフィルター同士を重ね付けしてさらに濃い減光フィルターとして使うことができます。
解説前の一枚
滋賀県・琵琶湖北端の海津大崎付近で一休み。まぶしい太陽の下だと「瞬間」写真にしかならないので、NDフィルターで減光してみる使い方もいいかもしれませんね。
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NDフィルターの濃さとシャッター速度
重ねて使う場合の濃さ
ND2で光の量が2分の1(50%)。それぞれのNDフィルターは重ねて使うことができるので、例えば『ND2を二枚重ねると半分になった光の量がさらに半分になる』ので、4分の1分の減光になります。
NDフィルターの重ねパターン
ND8と…+ND4=ND32、+ND8=ND64。
ND4と…+ND4=ND16、+ND8=ND32。
…ですね。3枚重ねることは考えないで考えましょう。
ND64以上の減光フィルターは無駄に長時間露光になってしまうので通常撮影では使わない方が無難。それを考慮すると手持ちのNDフィルターがND32かND64になるモノを買い足せばいいのかも…というようなことが見えてきます。
実際のシャッタースピードの変化
1/8の減光…ではSSは?
カメラに届く光の量が×分の1に減光された時、シャッター速度も同じように×分の1になるのでしょうか?手元にND2、ND4、ND8があるのでD7200で実際に実験してみました。
シャッター速度のケース1
【F8-ISO100 NDフィルター無し→1/2】
ND2→1/1.3・ND4→1.6・ND8→3(秒)
シャッター速度のケース2
【F8-ISO1000 NDフィルター無し→1/20】
ND2→1/13・ND4→1/6・ND8→1/4(秒)
シャッター速度のケース3
【F8-ISO4000 NDフィルター無し→1/80】
ND2→1/50・ND4→1/25・ND8→1/13(秒)
例えば減光フィルターで光量半減(=ND2)の時には1/10⇒1/5かと思えばそうでもなく、1/400も1/200ではありません。これは「光の量とシャッター速度が『定比例』数でプログラムされているわけではない」から。参考まで。
NDフィルターの重ね使いの注意点
重ねるのは2枚を限度に
重ねて使えるNDフィルターですが、基本的にNDフィルターの重ね運用は2枚までで考えていきましょう。標準ズームレンズでもおそらく2枚のフィルターを重ねると広角側で微妙にケラレが出るレンズがでてきます。
NDフィルター以外は1枚
NDフィルターの2枚重ねは「例外」ケース。サーキュラーPLも基本的にはプロテクトフィルターを外して直接装着して撮影をし、サーキュラーPLを保護するためにプロテクターを重ねて撮るのは避けましょう。
「望遠ズームレンズの望遠側ならケラレない」とか、そのへんはちょっと置いておいて、『NDフィルターは最大2枚までで考えよう』というお話。3枚で考えるとNDフィルターの買い増しも枚数が増えて無駄に混乱してしまいますので。
いろいろ悩んでみてください
乱暴なページですが結論はありません☆「4・8で+32」、「8・8で+64」というパターンが一般的な買い増しの組み合わせ。そこに「16」が選択肢に加わると…ほら、なにげに効果と買い増しについて悩むトキ、あるんですよね。たくさん悩んで楽しんでいきましょう。